7月13日 あきた郷土作物研究会ワークショップin横手を開催しました。(生産地編)

~大屋梅・八木にんにく・新処なす~

 

 

あきた郷土研究会が発足して、初の現地ワークショップを横手市を会場に開催しました。横手市には、郷土作物が数多くあります。そしてその作物の中には、千二百年を超えるという悠久の歴史と物語を秘めた大屋梅があるのです。しかし生産地では、気象災害や担い手不足などの困難も抱えています。その地を訪ねて産地の今を見せていただき生産者のお話をお聞きし、またそれを活用している方々の事例を学びました。

 

■日 時 平成26年7月13日(日)

  午前9:00~午後3:00

■参加者 あきた郷土作物研究会会員他 40人

■場  所 横手市大屋地区、八木集落

      デリカテッセン・カフェテリア「紅玉」 


◎千二百年の歴史ある大屋梅

 

横手市大屋地区にある栄公民館にて大屋梅保存会の阿部会長、戸田事務局長、栄公民館の黒沢館長と待ち合わせ、梅の里をご案内いただきました。ここ栄公民館にも大屋梅が植えられており、大屋梅の里という大きな碑がありました。まずは大屋梅の歴史についてレクチャーです。

 

 【要約】

 大屋梅の歴史は古く、今から千二百年前の平安時代鎮守府の将軍の小野春風の家来として来た阿部平右衛門、江津(のちに藤原)彦右衛門という武士が住みつき、江津氏は一本の浪花梅の樹を、阿部氏は茶の樹を植えました。両方とも薬用だったとも伝えられます。この梅が今も残る「江津の梅」と言われる古木で大屋梅の元なった樹と伝えられています。この大屋地区にはかつて畿内に通じる東山道があり、その後江戸時代には羽州街道も整備され参勤交代の道でもありました。二百年前に佐竹の殿様が江津の梅の花見に立ち寄った記録があり、その見事な大木の姿を菅江真澄にも描かせており、その絵が残っています。二百年前に見事だった古木は、現在かなり危険な状況にあり、この樹から森林総合研究所東北支所がクローン苗木を再生し大屋に植える計画です。

 大屋梅はほとんどが屋敷梅で、農家の庭先の一番いい場所に植えられて大事にされてきました。一時は梅の里として二千本の梅があり、大正時代には集落全体を包む梅の花が美しい絵はがきにもなっていました。しかし、梅はリンゴに変わり、近年の造園ブームで造園業者が古木として買い取って多くが横手市内などに移植され、残っていた樹も、このところの豪雪被害を受けてしまいました。残っているのは約600本です。生産されている梅は約5トン、日の丸酒造が生産する「梅まんさく」というお酒に使われる他、主に梅漬けにされます。歯触りが良くて種離れがいい梅漬けができます。

 ここ果樹農家の笹山家では、大事に大屋梅を残してきました。樹齢400年から300年になる樹がありますが、土盛りをし堆肥を十分に与え、雪害で弱った樹にはコンクリートを入れて養生するなどの手当を行い回復をさせているといいます。梅は大屋梅ファンにお譲りする他、お母様の手で梅漬けにされています。

 

 

 大屋梅保存会では、屋敷梅がどんどんなくなることに危機感を覚え、大屋沼のほとり3カ所に300本の大屋梅の樹を新植しました。「まもなく生産期に入るので梅が増産されますのでぜひ活用して欲しいです。」と戸田事務局長さん

 大屋梅の古木が立ち並ぶ正伝寺の隣に阿部家があります。
千年の梅があるなら、千年のお茶もある、千年続くという「家系」もあります。
大屋梅保存会会長の阿部平治さんは、平安時代に小野春風に伴ってやってきた阿部平右衛門の末裔です。江津氏が梅なら、阿部氏は茶の樹、しかも近年まで実際にお茶にして飲んでいたそうです。お茶が薬用だったからでしょうか、阿部家は代々、医学の家系で、阿部さんは何代も続く獣医なのだそうです。
 なんとも時代スケールの大きなお話です。

そして何代目かになるだろう、お茶の樹も大屋梅の傍らにひっそりと葉を繁らせていました。


◎八木にんにくの産地をたずねて

 

横手市増田町の八木にんにく生産者の佐藤誠さんの圃場です。実は収穫期は過ぎているのですが、ワークショップのために畑に残しておいてくださいました。佐藤さんの圃場はこの自宅近くの圃場の他、少し離れた河川敷にもあります。お邪魔したところは種取り用の圃場です。


【要約】

 ここ八木集落は、宿場町で近くに鉱山もある野菜の消費地の増田の台所と言われた古くからの野菜産地です。増田の市日に出る野菜のほとんどが八木産だったと言われています。中でも伝統野菜の八木にんにくは、その名に地名が残るほど大事にされてきたものです。主に5月下旬から6月中旬まで、青にんにくとして生で食します。後はすり下ろして刺身の薬味などに1年中に用います。

福地ホワイト六片なども栽培したことがありますが、やはり辛みが少なく食べやすい八木にんにくが一番なのです。八木にんにくは四片から多い時には十片を超えるという不揃いなものです。しかし薹立ちせず、秋の植え付け時期を選ばないのも生産者にとって魅力です。また敷きワラのマルチでないと良く育ちません。販売農家は数戸ですが、八木集落のほとんどの農家が、自家用や贈答用に栽培しています。季節には近くの直売所やスーパーで青ニンニクのワゴンに並び販売されています。


◎道の駅十文字農産物直売所「まめでらが」

 日曜日ということもあって、大変な賑わいでした。販売額は、平成25年度で3億5千万円、道の駅としては東北で2番目ということです。こちらの直売所では、郷土作物としては、「新処なす」、「関口なす」、「八木にんにく」などが販売されています(常時あるわけではありません)。加工品では、大屋梅の梅漬けやフルーツソース、富岡なすの菊の花ずしなどが置かれています。今後は伝統野菜コーナーなどをつくりたいと社長の小川さん。

 せっかくだから歌でおもてなしをしましょうと、道の駅の歌をご披露くださいました。社長もスタッフも溌剌としている道の駅です。

交流会編に続きます。