7月13日ワークショップin横手 (交流・ディスカッション編)

午前中の現地視察(生産地編参照)に続き、午後は横手市十文字インターチェンジ近くのデリカテッセン・カフェテリア紅玉を会場に、昼食と交流、ディスカッションが行われました。

◎郷土作物のビュッフェランチ

 

 交流会の会場となるデリカテッセン紅玉さんで、出迎えてくれたのは、ずらりと並んだ、料理の数々です。今回は、八木にんにくと大屋梅の料理をメニューに加えていただきました。感激した参加者たちは、こぞってカメラを構えつつ、そのごちそうを頂きました。
 このお料理を頂きながら店長の高橋紅(くれない)さんから、本日のお料理の説明を受け、交流会は始まりました。

【要約】
 紅玉の料理は、地元の食材を大事に使うこと、出汁をきちんと取ることなどを心がけ、一からお店で手作りをしています。今日は大屋梅と八木にんにくのほか、季節の地産地消、季節の食材を使った料理10品を準備しました。八木にんにく、大屋梅ともに、それぞれに特長があり、料理の個性を出しやすいと思います。新処なすは、収穫時期が間に合いませんでしたが、崩れにくいので煮茄子などに向くと思います。
 これから、こうした郷土作物を可能なかぎり定番料理にできればと思っています。

【提供頂いた料理】
大屋梅と鶏肉糀のオーブン焼き

りゅうほう豆の旨煮

皆瀬牛となすの炊き合わせ

バーニャカウダ(八木にんにくと菜ピュアのソース)

なすときゅうりの中華和え

鯛の香草パン粉焼き

キャベツのサラダ

トマトのサラダ

八木にんにくのポタージュスープ

煮野菜の夏サラダ
八木にんにくのポタージュ(写真なし)
もちろん、紅玉さん定番の玄米ごはん、白いごはん、味噌汁です。


◎「地域の食材を活かす紅玉の取組み」                            (有)たかえん 専務取締役 高橋基

【要約】

 この店を始めてまもない頃、調理担当の店長(奥様の紅さん)からどうすれば地元の食材を使えるのかと問われました。まだ直売所などもなかった時で、その入手の方法がわかりませんでした。そんな時、秋田での農業を断念しようとしていた若い農業者夫婦と知り合い、その方達の農産物を用いることで生産者とともに歩む紅玉の一歩が始まりました。その後も紅玉でのマッチング交流会を開催していますが、それは、紅玉との取引きというより、ここを拠点に生産者が様々な業態の方々と結びついて欲しいからです。

 私たちが、仕事で大事にしていることは「プロ意識」と「チームワーク」と「地域」

地域が大地で、会社はそこに活かされる樹です。「紅玉」は地域の食材を使ったお店ですが、「地産地消」はビジネスモデルではなく、ライフスタイルの提案だと考えます。食を通じてこの地域に暮らすことを楽しんでいただくための提案です。地域を深く知る中で、この地域ならではの宝物に気付くとき、それは「費やすもの」から「愛するもの」や「誇るもの」へと変わっていくのではないでしょうか。

 

※高橋専務の話は、会場の皆の胸を打つものがあり、多くの方の共感を得ました。参加者のネット上のレポートや参加者アンケートにも多くの感想が寄せられていました。


◎「新処なすの紹介」  横手市十文字 黒沢弘子さん

 今回、初めてお披露目となった新処なす。生産者の黒沢弘子さんに、インタビュー方式でお話を伺いました。

  弘子さんは黒沢家に嫁いで50年以上なりますが、この新処なすは、その頃にはもう地域にあったそうです。

水分が少なく、身が堅く、それでいて比較的皮が薄いため奥漬けに向きます。また、大きくなっても種が目立たないのも特長です。なすの花ずし(紋ずし)は、この茄子で漬けます。

 姑さんも大変漬け物の上手な人で、漬け物を漬けては、リヤカーで運び、増田の市日で売っていました。「漬ければ小さくなって運びやすくそして高くなるのに、生のなすを売っている人はリヤカーいっぱいつけても値段が安くて可愛そうだ。」とせっせと漬けては売っていたそうです。

 栽培は普通の茄子と同じですが、トゲがきつく、嫌う人はいます。新処では4人栽培者がいて、黒沢さんは100メートル3畝を植えています。連作障害を避けるため5年は同じ場所に植えないように計画的に場所を移動しています。今年は市の実験農場で作ってもらった接ぎ木苗も植えました。生育が旺盛で連作にも強いようです。

 

※新処なすやその漬け物は道の駅十文字で販売しているとのことです。

 

新処なすと菊の花すし


◎「大屋梅を活かす」 ひがなる工房の取組 加藤正哉さん

 自身は、果樹試験場で勤務した後、横手市山内で40代になってから果樹栽培をはじめました。ブルーベリーなど小果樹を栽培しています。また、東成瀬村にある加工集団、「ひがなる工房」のジャム部を担当しています。今日は、大屋梅のフルーツソースを持ってきました。青梅の翡翠色と香りを出すために、少量ずつしか作りません。量が多ければ効率がいいのですがそれだけ、火を通す時間が長く、色と香りが飛んでしまいます。一日30個限定です。

 なぜ地域の材料を使うのか、使わなければ無くなってしまうからです。その特長を活かして皆様に提供することで生産が継続される、そのことが大事だと思います。

※大屋梅のフルーツソースづくりは加藤さんのブログに掲載されています。
果樹農家になる。

写真は完熟梅と青梅のフルーツソースです。


◎「伝統野菜お漬物シリーズ 華旬菜」                           (株)あきた食彩プロデュース  瀬畠正人さん

【要約】

 あきた食彩プロデュースは1昨年、北都銀行などが出資して設立した農林水産業の六次産業化をすすめる会社です。県や市の職員も出向しています。食品加工の企画にも力を入れていて「青豆のドラジェ」という洋菓子も販売しています。
 本日紹介する「伝統野菜お漬物シリーズ 華旬菜」は長老喜(チョロギ)など縁起物を始め、郷土作物などの県内産の野菜を使った漬物です。この春に販売を開始し、夏のお中元シーズンを狙って7月11日から再度販売を開始しています。贈答用ということでパッケージにもこだわって、一見ブランド品の箱かと思うようなデザインにしました。また従来の漬け物は袋詰めのペタッとした商品が積まれて販売されているところから立体的に見えるデザインにしたのも特長です。県内業者が製造していますが、巾広く買っていただくために、京都の老舗の漬け物店のアドバイスなどを受け、これまでの秋田の漬け物とは違う風味を作り出しています。引き合いも多く、期待の持てる商品です。

 これからも郷土作物など特長のある農産物を活用した商品を開発していきたいと思います。

 


◎最後に

 内容が盛りだくさんで、参加者の意見交換は時間切れとなってしまいましたが、参加者からは「初めて知ることが多く、たくさんの情報を得られた」、「横手市の宝探しができた」などの感想をお寄せいただきました。

 吉澤会長からは、「こうした現場でのワークこそ、この研究会の真骨頂であり今後も現地で開催して行きたい」と締めの挨拶があり会を閉じました。

 

このワークショップの報告は会員の方々のブログでも報告されています。

デリカテッセン・カフェテリア紅玉のブログ

宮田恵さんのドクターライフサポート