横手市増田八木集落に伝わる伝統野菜の「八木にんにく」をご存じでしょうか。
八木にんにくは、もちろん普通のにんにくとしてとしても利用できますが、一番の旬は、生で食べられる5、6月だそうです。地元の方が「青にんにく」と言う、結球前の生のにんにくを食べるからです。
「地元で食べ方は?」とお聞きすると、みなさん「生で味噌をつけて!」と答えます。
他のにんにくと比較しても辛みが少なく、甘みがあって香りが柔らかいのでこの食べ方ができるのだそうです。確かににんにくの香りや辛みはやはりあるものの、あの、にんにくの強烈さほどはありません。エシャロットより食べ応えがあり、にんにくほど臭くないという感じです。
お伺いした佐藤さん宅のもろみにんにくは、糀の風味を生かした絶品です。
地元スーパーのラッキーにも八木にんにく専用のワゴンがありました。
店長さん曰く、「人気商品ですよ。やっぱり食べ方は生でガリッと」
だそうです。すごい食文化ですね。
また、多様な利用の仕方を探るために、地元増田高校でも八木にんにくの商品開発や料理、栽培の研究をを実施しています。料理研究家の米本かおりさんから、ローストしてオリーブオイルをかけていただくとおいしいとのアドバイスを頂戴しました。
調査にご協力くださった、八木集落生産者の佐藤誠さんです。
驚くべきことは、生産量がずっと少なくなって生産組合もなくなってしまったものの、この約80戸の八木集落の90%の家庭でこのにんにくを栽培しているということです。
ほかにもホワイト系、福地系と栽培してみたけれども、やっぱりこのにんにくが一番と、各家庭で栽培が続けられているとのこと。
八木集落は、商業地増田町の台所と言われた集落。400年も続く朝市を支えてきた野菜農家の多い地域です。こうした歴史が伝統の野菜を育み、食文化ともに定着することになった理由と伺いました。